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旧ピジョンポスト

ピジョンポスト Vol.28

2002.04.01

第49回 応用物理学会「環境側面から見た半導体・情報産業」シンポジウム開催される。

sympo.jpg3月27日(水)~30日(土)までの4日間、東海大学湘南校舎にて、2002年春季 第49回応用物理学関係連合講演会が開催されました。
応用物理学会では、毎年、春と秋に全国規模の学術講演会を開催しており、講演と活発な討論が行なわれます。常設分科と合同セッションでの一般講演(口頭・ポスター)に加えて、分科内総合講演やシンポジウムなども開催されています。また、各種のインフォーマルミーティングや展示会なども行われます。
今回は、学会史上最高の3981件の発表が行われ、4日間に22000人を超える参加者が会場に詰めかける盛況となりました。
今回の講演会では、東海大学教養学部 人間環境学科 内田助教授を座長とする『環境側面から見た半導体・情報産業』と題したシンポジウムも開催され、弊社取締役環境リサイクル事業部事業部長櫻井英明が『廃棄物処理の現状と課題』と題した発表を行いました。
今回は、当シンポジウムで発表された内容についてご紹介します。



『イントロダクトリートーク』

NTTアドバンステクノロジ /佐藤芳之氏


佐藤氏からは、以下のような要旨のイントロダクトリートークが発表されました。
シリコンチップを製造する際には、重量にして製品の10万倍以上の廃棄物が発生すると言われているとのこと。ラップトップPCのような最終製品としてみても、4000倍近い廃棄物が発生しているそうです。なぜこれほどまでに廃棄物量が多いのか。製品の付加価値が高いことに大きな要因があるものの、他の工業製品と比較すると圧倒的な比率といえます。
また、電子部品には様々な毒物が用いられています。例えば砒素。日本で人工物に利用する場合の大半が電子部品用であると推測されています。
さらに、情報端末機器には最先端電子部品が用いられているため製品の進化が急激であり、その分、新製品への置き換えが頻繁です。これによって、本来の製品寿命に比べ、実質的な製品寿命が極端に短いのが実状で、その分廃棄量も増大している現状が述べられました。

最先端の電子部品開発の現場において、このような環境側面に焦点をあてる機会をもっと増やしたいとのことで、それが今回このような問題をシンポジウム形式で扱ってみようと思われたきっかけとのこと。現在半導体工業界では、半導体プロセスにおける使用化学物質削減や省エネに関して、積極的な取り組みが行われていますが、よりマクロな視野から『電子部品のゆりかごから墓場まで』の全体像をつかんでみたいとのことでした。


『電子・情報材料におけるエコマテリアル』

物質・材料研究機構/篠原嘉一氏

篠原氏からは、エコマテリアルに関して、次のような内容の発表がされました。
『産業の米』と呼ばれる半導体。これを利用した電子デバイスの飛躍的な発達により、現在では洗濯機、炊飯器から自動車に至るまで様々なものにコンピュータ制御が用いられるようになっています。このように電子デバイスの発達は、私たちのライフスタイルを変化させているわけですが、更には、生活基盤としての地球環境に大きな影響を与えるようになり、シリコンバレーに見られるように直接的に住環境に深刻な影響を与える可能性もあるとのこと。
そこで、電子デバイスについて、場合によっては電子材料のレベルまで遡って、環境との関わり合いを検討し、エコマテリアル化を推進することが必要になってくる、と氏は述べられます。
エコマテリアルとは、環境に関連する特性を有する状態を示し、その特性は大きく10種類に分類されるそうです。

(1)省エネ性 (2)省資源性 (3)再利用性 (4)リサイクル性 (5)力学的信頼性 (6)科学的安定性 (7)生物学的安全性 (8)代替性 (9)快適性 (10)浄化性

(1)~(4)は文字通りの特性です。(5)~(9)についてキーワードを順に挙げると、『安心』『長持ち』『安全』『とりあえず』『生活』となります。(10)は、既に汚染されてしまった環境の浄化に役立つ特性です。

今回は、無機半導体、太陽電池、液晶などに見られるエコマテリアル化の実践例について紹介が行われました。


『環境半導体の現状と将来』

環境半導体研究会、大阪府立大学/前田佳均氏

前田氏からは、環境半導体についての発表がされました。
『環境半導体』とは、シリコンや鉄等のように、資源が豊富で、環境への負荷が小さい元素を利用して、これからの光エレクトロニクスやエネルギーデバイスを支える新しい半導体材料を創生しようという考え方だそうです。例えばβ-鉄シリサイド(β-FeSi2)は、最も代表的な物質としてここ数年盛んに研究されているようです。しかし、環境半導体の実用化に向けては超えるべき課題が多く、現在のところ材料開発の段階だとか。若手研究者の新しいアイデアとともに、これまで蓄積されてきた多彩な材料技術が生かされているとのことでした。
発表では、環境半導体:β-FeSi2を中心にその研究の現状と展望についての報告が行われました。



『Environmental impacts and energy use in the production chain for semiconductors』

『半導体製造工程における環境影響とエネルギー消費』

国連大学/E・ウィリアムズ氏

マイクロチップ製造における環境への影響の大きさを、素材と製造技術におけるエネルギー投入量、という側面から見てみよう、という主旨に基づき、ウィリアムズ氏の発表が行われました。
例えば、わずか2gの32MB DRAMチップを製造する場合、精製された化石燃料1,640gと72gの化学物質が使用されていると推測されるそうです。さらに、製造工程で使用する洗浄水の量は32,000g、窒素ガスは700gにも達するとのこと。
将来的な半導体製造において、どのようなマテリアルを使用するのか(特に洗浄工程において)は大きな課題と思われる、と氏は結ばれました。


3氏による、半導体の製造における環境側面についての発表に続き、廃棄の視点から、弊社環境リサイクル事業部事業部長櫻井英明より、『廃棄物処理の現状と課題』と題した発表が行われました。

sympo02.jpg近年、産業界では、いわゆる3R(リデュース・リユース・リサイクル)等に対応した循環型の生産体制構築に向けた取り組みが盛んになっています。しかし、生産の工程から排出される廃棄物の性状は様々で、中には、簡単にリサイクルできないものも多くあり、結果、最終処分場に埋め立てされる等により有効に活用されない物質も多くあります。
ミヤマは創業以来、客先から排出される廃棄物のリサイクルに取り組んできました。特に、ダイレクトにリサイクルできない複雑な性状の廃棄物を、化学的処理によって、利用先が使いやすい性状や物性に整えることは、ミヤマが特に力を入れてきた部分です。

今回は様々な取り組みの中から、半導体等の製造工程から排出される無電解ニッケルメッキ廃液から、農業用のりん酸肥料原料やニッケルさいを抽出する手法について紹介いたしました。



『環境側面から見た日本の半導体・情報産業の課題と行方』

環境新聞社/小峰且也氏

小峰氏の講演では以下のような発表がされました。 「環境は今や、ひとつの思想であるとはいえないでしょうか。」
すなわち、環境問題は倫理的な面を避けては決して解決できません。そういう意味では、民主主義、個人主義といった価値観自体の見直しを迫られる可能性もあるでしょうとのこと。
環境対策の面で、日本は、例えば法律や税金といった面から規制の方向に動きがちです。これからはそうではなく、市場原理を利用した規制が必要になってくるのではないでしょうか、との方向付けがされました。

さらに、環境問題においてもう一つ重要なのは、多様性を認める、ということ。他人がこうだから自分も、という考え方ではだめで、多様性を認め守る、ということは最終的に自らの命を守ることに帰結する、と述べられました。例えば、トキの保護などを見ても、1羽、2羽のトキを何とかしようとして頑張っておられるけれど、トキが生きていけるような多様性を許容する環境を認め守ることが本当は必要なのではないか。そうした考え方がないとこれからの環境問題は解決していけないと締めくくられました。


最後に、今回のシンポジウムの座長、東海大学教養学部の内田助教授よりまとめの発表がありました。

「私たちは、生活の豊かさを追い求めることを目的に、科学技術に対する夢と期待を抱きながら、不可能を可能にすること=フロンティア性、のみを中心に、様々な技術開発とその応用を行ってきました。」と述べられた内田教授は、フロンティア性のみの追求は、資源を大量に消費し、大量の廃棄物を生み残すと共に、自然界を無視した人口物質の生産や自然界に大きな負荷をかけるシステム構築を伴う結果となった、とおっしゃいます。
こうした行為への対応として、例えば素材の視点では、エコマテリアルに代表されるような、アメニティ性・環境調和性といったファクターまで考慮された素材やプロセスの開発、そしてそれらを取り込んだエコデザインが、これからの持続的発展を支える重要な要素として位置付けられようとしている、と結ばれました。

『産業の米』半導体。その製造を環境側面から見た場合、いかなる問題点が出てくるのか。今回のシンポジウムの内容は、非常に興味深いものでした。そして、これまでにも増して、製造に携わる皆様と、より望ましい廃棄の在り方を共に考えていくことによって、持続可能なもの作りのしくみを構築していく必要がある、と強く感じました。


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