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旧ピジョンポスト

ピジョンポスト Vol.39

2004.08.01

6市町村20万人の氏子による最古の祭り、御柱祭を追う

 

御柱祭の記録は約1200年前の桓武天皇の時代から残っています。しかしこの祭りの歴史は、1500年から 2000年とも言われているため、2000年の歴史を持つ出雲大社から発祥されたという説もあります。諏訪大社は、諏訪湖を挟んで南岸の上社(本宮・前宮)と北岸の下社(春宮・秋宮)があり、七年に一度社殿の四隅にある柱を建替えます。この建て替えの祭りが御柱祭。上社と下社では祭りの模様も少し違っているようです。そこで前回の祭りで大総代を務められた上条さんには、上社の御柱祭についてお話をうかがいました。

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「仮見立て」と「本見立て」祭りの2年前、御柱にする木を条件に合っているか判断する仮見立てを行い、1年前には仮見立てをした木の傷や大きさなどについて再吟味する本見立てを行います。

本見立てでは複数の候補から氏子の拍手によって柱となる木が選ばれ、宮司が祝詞をあげて「なぎがま」を打ち込むことで、初めて御柱になります。

 

-御柱に使われる木、というのはどんな木なのでしょうか?

 

太さが目通り(目の高さの木の太さ)3m、全長16m、樹齢200年、重さ約12tのモミの木です。明治まではスギやツガも使っていたそうですが、モミは成長が早く、用材としての価値が低いため利用されるようになったようです。太さが均一で真っ直ぐ、年輪が詰まっている硬い木で、節は多いほうが良いのです。しかし昭和34年の伊勢湾台風による被害をはじめ、今では用材不足が深刻で、本来御小屋山から伐採するのですが、今年は立科町町有林から材を譲り受けました。なにせ、6年毎とはいえこれ程の大木を予備含め10本程切り出しますからね。御小屋山(おこやさん)での伐採が可能になるまで山業衆(やまづくりしゅう/中世以降御用材の管理を担ってきた人々の子孫)が将来のために山の管理をしてくれています。

 

「曳行分担くじ引き」上社では、曳行分担ごとに抽籤総代を決め、くじ引きで本宮・前宮のそれぞれ一から四のどの柱を曳くか決定します。

 

おかげでプレッシャーも相当なものですよ。運の強さが試されます。私の「ちの・宮川」地区は人口も2万人以上で一番大きく、地元に見せ場があるため、面子に賭けても「本一」(本宮一の御柱)を曳きたいのです。ですから、元旦からくじ引きのある2月までは、雨の日も雪の日も毎朝諏訪大社本宮に祈願に通います。他の地区も同じように祈願に来ており、ここでも「負けていられない」と思うわけです(笑)。

 

-「ちの・宮川」地区は本一を引き当てる回数が多いそうですが、秘伝の願掛けがあるのでしょうか?

 

それは、ここでは言えませんよ(笑)。

 

「山出し」綱置き場で一ヶ月休ませた御柱を、木落とし坂、川越しを経て御柱屋敷まで曳行します。

 

-木落とし坂に立つと、高さと急斜面に圧倒されますね。メドデコ(※1)に乗る人は、ここからずいぶんせり出した位置から下るわけですから…。

 

そうでしょう?命がけ、度胸試しと言われる由縁ですね。木落としも危険ですが、川越しも危険が伴います。腰まで浸かる冷たい川に、大勢の人が、区旗と曳き綱を持って渡ります。続いてメドデコに人が乗ったままの柱が川を越し、柱が川で清められるのです。

 

-今年の川越しは雪も舞ったそうですね。ところで、メドデコにはどんな役目があるのですか?

 

柱を同じ接地面だけで曳けるように舵取りの役割を果たします。メドデコに乗ることは「諏訪の男の心意気!」なんです。メドデコには片側12人、中でも花形のトンボ(先端)に乗るためには2回、3回と御柱を経験し、20年越しの努力が必要ですから、簡単には乗ることができません。

 

-立候補しても乗れないということですか?

 

乗れませんよ(笑)。会議に参加することはもちろん、地域に貢献すること、極端に言えば、仕事も家のことも構っていられない程に身を削って作業したり、過去の祭り経験も加味されるので、周りから認められた人でないと乗ることができないのです。

 

-トンボだけでなく、上条さんが前回務められた「大総代」も信用や経験、地域への貢献など周りから認められた人でないと務めることができないそうですね。

 

「里曳き」御柱屋敷で一ヶ月間御柱休めを終えた柱を、本宮・前宮の建て御柱を目指してゆっくり曳き、見せる祭りへと変わります。

 

華やかな高島藩の騎馬行列や長持ち行列などもあり、危険も伴わないので観光客も多くなります。いい祭りでしょう?この曳行には誰でも参加することができるのです。

 

「建て御柱」本宮・前宮まで曳行した御柱を、万力などを使って全て人力で柱を垂直に立ち上げます。

 

柱の先端から元まで人が乗ったまま垂直に立ち上げます。立ち上がると、八ヶ岳での伐採からこれまで関わってきた氏子への協力に感謝し「七年目にまた会いましょう」という内容の垂れ幕が下がります。これで、一つの御柱祭が幕を閉じます。

 

-ここから次の御柱への準備がまた始まるのですね。

 


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こころを一つに

 

-御柱には木遣りが欠かせませんよね。

 

全長150m程の引き綱の端まで声が通らなくてはなりません。木遣りは、綱を曳く人々の心を一つにします。心が一つにならないと、いくら引っ張ってもビクともしません。御柱が12t、メドデコ2つで1t…そこに人々が乗るわけですから…

 

-どれだけ重いのか、もう想像もつきません…しかし、それを全て人力だけで動かすことができるのは、木遣りに込めた気持ちがちゃんと伝っている証ですね。

 

また、御柱の曳き綱は、雄綱と雌綱の二本で全長150mありますがここに子綱をつけて一人でも多くの人が曳けるようにします。

 

-御柱は誰でも曳けるのでしょうか?

 

誰でも曳くことができます。祭りも基本的に昔と変わっていませんが、多少の改善は見られます。昔は“女は綱をまたいではいけない”と言われていました。今では女性の力なしでは柱は動かないかもしれません(笑)。また、曳行後の道路に綱の切れ端などゴミが散乱した事もありましたが、今では担当地区ごと責任をもって掃除をしながら曳行がされます。最近は「御柱が通ると道がきれいになる」と言われる程です。

 

諏訪の人々と御柱

 

-諏訪は、自然信仰発祥の地ということでしょうか?

 

そうかもしれませんね。自然との関わりといえば諏訪大社は、もともと本殿がありません。神社背後に控える、天に近いこの山に神が宿り、御柱は神の代理として建てられると言われています。御柱祭はなぜか呼ばなくても人が集まる(笑)。諏訪地方の人々には、御柱祭だけでなく、諏訪湖の「御神渡り」など自然と関わる神への信仰心というものがしっかりと根づいているのでしょう。

 

-諏訪大社に関係する神社は、県内にも多数ありますが。

 

諏訪大社は全国に1万社以上ある末社の総本社です。諏訪地方には地区(集落)毎必ず1つ小宮があり、長野県だけで約1000社あると言われています。氏のつながりも非常に強く、氏神を奉る神社もあります。そしてここでも9月、10月にかけて各地で小宮祭という御柱祭があります。ですから、今年諏訪では2~3 回御柱祭を行う人もいるのです。また祭の最中は、道沿いの家々は「お客」するといって縁者を招き入れます。基本的に誰でもお客に呼ばれることができ、各家ご馳走や酒を用意してもてなす習慣があるのです。

 

-力と心を合わせて柱を曳き、「お客」に呼ばれて、諏訪の人々の中には御柱をはじめ、「自然」や「信仰心」というものが根付いていくのでしょうね。

 

※1 上社の御柱だけ、柱の先端と後端に付いているV字型の角のようなもの

 


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プロフィール:上條昌良(カミジョウマサヨシ)氏

 

昭和10年8月4日長野県茅野市生まれ。 約40年間茅野市役所に勤務。前回の御柱で本宮一の御柱の大総代(おおそうだい)を務める。今回は「ちの・宮川」地区で、上社本宮四の御柱の顧問(総代へのアドバイス役)。



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