ミヤマ株式会社

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事業紹介環境の保全・再生/環境リスク管理

PFASへの対応

有機フッ素化合物(PFAS)の一種であるPFOS、PFOAは、環境中での残留性や健康影響の懸念から、国際的に規制が進み、日本国内でも規制やリスク管理に関する取り組みが進められています。
水道水におけるPFOS及びPFOA について、2025(令和7)年6月30日に水道における水質基準が改正され、PFOS及びPFOAに係る基準が設定されました。また、公共用水域等におけるPFOS及びPFOAについて、同日に「指針値(暫定)」に代え、「指針値」が設定されました。

PFASとは

PFAS(通称ピーファス)とは、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物のことを指し、1万種類以上の物質があるとされています。

(出典 PFASハンドブック(環境省有機フッ素化合物対策室))

PFASの中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸、通称ピーフォス)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸、通称ピーフォア)は、様々な用途※で使用されてきました。
※PFOSの主な用途:半導体用反射防止剤・レジスト、金属メッキ処理剤、泡消火薬剤 など
※PFOAの主な用途:フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤 など
いずれも難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質を持つため、予防的な取組方法の考え方に立ち、PFOSとその塩、PFOAとその塩及びPFOA関連物質が、それぞれ2009年、2019年に残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)で廃絶等の対象とされました。
このほか、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)とその塩及びPFHxS関連物質が2022年に、LC-PFCA(長鎖ペルフルオロカルボン酸(ペルフルオロノナン酸(PFNA)など))とその塩及びLC-PFCA関連物質が2025年にPOPs条約の対象物質として追加されています。

対応の方向性

環境省の「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」において、2023(令和5)年7月に「PFASに関する今後の対応の方向性」が取りまとめられ、PFOS、PFOAについては、管理の強化、目標値を超えて検出された地域等での対応等の取組の継続・充実を図り、その他のPFASについては、物質群1(POPs条約で廃絶対象となっている物質等)と物質群2(それ以外の物質)に大きく分類した上で、物質群1の優先的な管理の検討を進める等の対応を行うことが示されました。
この提言を踏まえながら、環境省を中心とする関係機関等において取り組みが進められてきました。

対応の状況等

2025(令和7)年7月時点の国内の対応の状況を、①環境中への新たな排出の抑制(作らない・出さない)、②更なる汚染拡大の防止(広めない)、③健康影響の未然防止(摂取しない)という3つの角度で整理すると、次のとおりです。

① 環境中への新たな排出の抑制

(製造・輸入等の原則禁止)

・POPs条約の廃絶対象等となったPFOS、PFOA、PFHxSは、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の第一種特定化学物質に順次指定され、製造・輸入等が原則禁止となっています。

なお、第一種特定化学物質が製品の製造に不可欠であって、環境汚染の恐れがない場合に限って、例外的にその使用が認められる用途(エッセンシャルユース)が定められることがありますが、PFASに関して現在指定されているエッセンシャルユースは、PFOA関連物質についての2用途(医薬品の製造を目的としたPFOB製造のためのPFOIの使用、侵襲性及び埋込型医療機器の製造を目的としたPFMA製造のための8:2FTOHの使用)のみです。

(泡消火薬剤等の代替促進)

・PFOS、PFOAを含む泡消火薬剤等については、エッセンシャルユースに指定されていませんが、製品が相当数量存在し、短期間で代替製品に取り替えることは、災害時に使用する性質も加味すれば困難であるため、取扱上の技術基準への適合義務と譲渡・提供時の表示義務を課して環境への汚染を防止するとともに、可能な限り早期の代替品への切替えが求められてきました。
環境省の在庫量調査の調査結果(2024(令和6)年11月発表)によると、4年前の調査と比べて、PFOS含有泡消火薬剤の量は約45%減少(PFOS含有量は約36%減少)しています。施設別では、消防機関、空港、自衛隊関連施設が大幅に減少している一方、石油コンビナート等やその他(駐車場等)へは代替品への交換の更なる働きかけが必要となっています。

②更なる汚染拡大の防止

(環境中での検出状況の把握)

・環境省の全国調査及び都道府県・水質汚濁防止法政令市の調査によると、2019(令和元)年度から2022(令和4)年度までの公共用水域及び地下水における水質測定地点は延べ2735地点であり、そのうち延べ250地点でPFOS及びPFOAの指針値(暫定)(50ng/L)の超過が見られました。製造・輸入等が原則禁止されているものの、過去に排出されたPFOS、PFOAが環境中に残存している状況が確認されています。
超過検出された地域においては、継続的な監視調査や、排出源の特定のための調査が行われています。排出源を特定できたとされている事例は限定的ですが、資材置場に置かれていた使用済み活性炭からの溶出、産業廃棄物最終処分場放流水・浸透水、工場排水があります。
PFOS、PFOAの主な摂取経路は食品や飲み水経由であると考えられていることから、環境省は、都道府県等に要請し、水道水の取水や地下水の飲用が行われている地域周辺での水質測定の充実を図っています。

(公共用水域等における指針値の設定)

・後述する水道水における検討と並行し、環境省において公共用水域・地下水におけるPFOS及びPFOAの取扱い等について検討が進められてきました。毒性学的に明確な基準値・指針値の設定が可能になったと判断されるとして、2025(令和7)年6月30日、PFOS及びPFOAの「指針値(暫定)」に代え、「指針値」が設定されました。

要監視項目の位置付けについては、環境省は、環境中での検出状況のほか、様々な知見(環境中の挙動、効果的・効率的な対策技術、対策の効果と実施可能性、健康リスクの低減対策のあり方、水質汚染による食品影響)の集積を図りつつ、要監視項目及び環境基準健康項目の選定の考え方に照らして、見直しの是非等について検討するとしています。環境中のPFOS等の濃度低減のための効率的・効果的な対策技術に係る知見に関しては、令和6年度補正予算を活用した対策技術実証事業等を通じ、収集が進められます。環境省における検討の行方を注視する必要があります。

③健康影響の未然防止

(水道における検出状況の把握と対応)

・国土交通省と環境省が共同で行った水道におけるPFOS及びPFOAに関する全国調査(調査期間;2024(令和6)年5月~9月)によると、水道事業と水道用水供給事業について、暫定目標値(50ng/L)を超過した事業は、年々減少し、2024(令和6)年9月末時点で0事業となっています。暫定目標値を超過した事業(2023(令和5)年度までに全14事業)では、超過水源からの取水停止、水源切替え、活性炭による処理等の措置が講じられています(水源の水質自体が改善されたわけではないと理解されます。)。
国土交通省と環境省は、2024(令和6)年10月以降の水質検査結果等に関してフォローアップ調査(調査期間;2025(令和7)年5月~8月)を実施中であり、特にこれまでPFOS及びPFOAの水質検査を行っていない水道事業者等は水道水に係る水質検査を早急に実施するよう要請しています。新たな超過事業が確認されるのかどうか、注目されます。

(水道水質の基準値の設定)

・2024年6月に内閣府食品安全委員会が有機フッ素化合物(PFAS)に係る食品健康影響評価を取りまとめたこと等を踏まえ、環境省において水道水におけるPFOS 及びPFOAの取扱い等について検討が進められてきました。2025(令和7)年6月30日に水質基準に関する省令が改正されてPFOS及びPFOAに係る基準が設定され、2026(令和8)年4月1日から施行されることとなりました。併せて、PFHxSに7物質を加えた計8物質が「要検討PFAS」として要検討項目に位置付けられ、即日適用されました。

まとめ

✔ 健康リスク低減の観点から重要な飲み水の安全性を確保するため、PFOS及びPFOAについて、水道及びその水源における検査・調査の充実が図られるとともに、水道事業者等に遵守義務・検査義務がある水道水質基準が設定(2026(令和8)年4月1日から施行。)。
✔ 水環境中のPFOS、PFOAについても、要監視項目の「指針値(暫定)」が「指針値」に。主に過去に排出されたPFOS、PFOAが様々な態様で環境中に残存している状況にあり、知見の集積を図りつつ、環境基準への引き上げといった位置付けの見直しの是非等は今後の検討。

【関連情報】

PFASハンドブック本文

PFASハンドブック参考資料

第一種特定化学物質一覧

水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)

水質基準に関する省令の一部を改正する省令

水質基準に関する省令の一部改正及び水道法施行規則の一部改正等について(施行通知)

水質基準に関する省令の一部改正及び水道法施行規則の一部改正等における留意事項について

ミヤマの取組

PFOS、PFOAが様々な態様で環境中に残存している状況が各地で確認されています。PFOS、PFOAの使用歴がある事業者様等が今後の対応の要否や見通しを得るために、事業に関わるPFOS、PFOAの現状を把握しておくことは有用です。
ミヤマは、事業者様の依頼に対応できるPFOS、PFOAの分析体制を整備しています。検出状況に応じたその後の調査・対策についても、ミヤマの調査技術、対策技術を活かして提案します。

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