資源循環は、ネットゼロのみならず、経済安全保障や地方創生などの社会的課題の解決に貢献でき、あらゆる分野での実現が求められています。また、欧州を中心に再生材の利用を求める動きが拡大していて、我が国としても再生材の質と量の確保を通じて資源循環の産業競争力を強化することが重要となっています。
令和6年5月22日に公布された「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」(再資源化事業等高度化法)は、こうした状況を踏まえ、資源循環を進めていくため、製造業者等が必要とする質と量の再生材が確実に供給されるよう、再資源化事業等の高度化を促進し、資源循環産業の発展を目指すものです。段階的に施行され、令和7年11月21日に全面施行されました。(本ノートは、関連の手引き・ガイドラインや、環境省による事業者向け説明会を含む令和8年1月時点の情報をベースに改訂したものです。)
再資源化事業等高度化法の概要
再資源化事業等高度化法では、資源循環の取組を一体的に進めていく必要があることから、基本方針を策定・公表するとともに、再資源化の促進(資源循環産業全体の底上げ)のために、再資源化事業等の高度化の促進に関する廃棄物処分業者の判断の基準となるべき事項の策定・公表や特に処分量の多い産業廃棄物処分業者の再資源化の実施状況の報告・公表の措置を、また、再資源化事業等の高度化の促進(先進的な再資源化事業等の引き上げ)のために、再資源化事業等の高度化の取組を認定する制度を創設する措置を講ずるとしています。

(出典:資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律の概要(環境省))
再資源化事業等高度化法の一部施行
再資源化事業等高度化法の一部は、令和7年2月1日から施行されました。

〇基本方針
資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針が定められました(概要は別紙1参照)。
基本的方向として、脱炭素や自然再興、産業競争力強化、経済安全保障といった社会課題の解決、地方創生への貢献の重要性を指摘し、国・自治体・廃棄物処分業者・事業者の積極的取組で高度な資源循環を行うとしています。

各主体の取組のうち廃棄物処分業者や事業者については、次のように示されています。資源循環において主たる役割を担うとされる廃棄物処分業者の取組とともに、廃棄物処分業者との連携が求められる事業者の取組もポイントとなります。

認定制度の施行から3年の間に100 件以上の認定を行うなど、再生材の質と量の確保等の取組を一体的に促進するための措置を講じ、第五次循環基本計画等の施策と合わせて達成を目指していくとし、処分を行う廃棄物量に占める再資源化を実施すべき量の割合の目標等が設定されました。
(出典:資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針案 概要(環境省))
〇再資源化の促進(底上げ)
・廃棄物処分業者の判断の基準となるべき事項
再資源化事業等の高度化を促進するため、廃棄物処分事業者の判断の基準となるべき事項が定められ(別紙2参照)、供給先の需要や供給可能な再生材の規格・量を把握すること、可能な範囲で生産性を向上させる技術を有する設備を導入するよう努めること、省エネ型の設備への改良や運転の効率化を図ること、目標を定め計画的に取組を進めることなどが盛り込まれました。
国(環境省)は、資源循環産業のあるべき姿への道筋を示し、再資源化に消極的であった廃棄物処分業者も含めて、産業全体の底上げを図るためのものであり、各廃棄物処分業者においては、それぞれの事項について可能な範囲での取組や段階的な実施を期待するとしています。廃棄物処分業者は、判断基準に照らして自社の再資源化の実施状況を確認し、国(環境省)が示している期待する取組例等(別紙2に掲載)を参考に、取組を進めることが肝要です。
(出典:廃棄物処分業者の判断の基準となるべき事項について定める省令案 概要(環境省))
・特定産業廃棄物処分業者
再資源化の実施の状況が法に基づく判断基準に照らして著しく不十分であった場合における環境大臣の勧告・命令や、再資源化の実施状況の報告・公表の対象となる特定産業廃棄物処分業者の要件が定められ、次のいずれかに該当することとされました。

再資源化事業等高度化法の全面施行
再資源化事業等高度化法の残りの規定は、令和7年11月21日に施行されました。

〇再資源化事業等の高度化の促進(引き上げ)
・再資源化事業等の高度化に関する認定制度
先進的な再資源化事業等の高度化の取組みを環境大臣が認定する制度が創設され、認定の効果として、廃棄物処理法の特例が措置されます。国による最新の知見を踏まえた迅速な認定による制度的支援を通じて先進的な事例を重点的に支援し、先進的な事業を全国的に波及させようというものです。
認定の類型として下図に示す①高度再資源化事業、②高度分離・回収事業、③再資源化工程の高度化があり、それら事業を行おうとする者は事業の実施に関する計画を作成し、環境大臣の認定を申請することができます。

(出典:資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律の概要(環境省))
認定の各類型のポイントは、以下のとおりです。

事業者向けに、認定申請の手引き(類型①~③別)、温室効果ガス排出量の削減効果・資源循環の効果算定ガイドラインが整備されています(下記【関連情報】にある、再資源化事業等高度化法関連情報専用ページを参照。)。
廃棄物処分事業者は、新たな再資源化事業の実施や既存施設での設備更新等を行う場合に、認定の要件・基準と照らし合わせた上で、認定制度を効果的に活用することが望まれます。
○再資源化の実施状況の報告・公表
・報告・公表制度
特定産業廃棄物処分事業者は、毎年6月末までに、前年度の再資源化の実施状況(報告必須項目は、産業廃棄物の種類及び処分の方法の区分ごとの処分量及び再資源化量。権利利益が害されるおそれがある際は、代わりの率の公表に留める権利利益の保護請求をすることが可能。)を環境大臣に報告しなければならず、報告された事項は公表されます。これによって、循環経済に向けた情報基盤が整備され、再生材を求める動脈産業とのマッチング創出につながることが期待されています。また、判断となるべき事項に照らした各廃棄物処分業者への国の指導等の前提となる再資源化の実施状況の確認に用いられることにもなります。施行後の初年度に当たる、令和7年度分の実績報告を行う令和8年の報告においては、柔軟な運用が行われることとされていますが、再資源化の実施状況の把握が不十分な特定産業廃棄物処分業者にあっては、令和8年度分実績の的確な把握に向けてしっかりと準備を進める必要があります。
特定産業廃棄物処分事業者以外の事業者も、再生部品等の提供元を探す製造事業者等との連携をねらって環境大臣による公表を求める場合には、任意で報告することができます。
報告はオンラインシステムでの入力等による方法が想定され、環境省がシステム制作を進めていて、報告者がアピールしたい取組みや内容を紹介できるよう、任意項目や自由記述欄も用意される予定です。

(出典 再資源化事業等高度化法説明会(事業者向け)資料(環境省資源循環課))
〈取組みの後押し施策〉
高度化に向けた取組みを後押しするため、国は、再資源化事業等高度化法の認定に紐づいたものとして、設備取得時の固定資産税や法人税・特別償却に係る特例措置(以上、類型①及び②が対象。)を設けるとともに、設備資金・運転資金への日本政策金融公庫からの低金利融資を可能とする制度拡充(3類型とも対象。)を行っています。また、再資源化事業等高度化法の認定に紐付いたものではありませんが、設備投資に対する各種の補助メニューも設けられています(下記【関連情報】にある、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律の概要の該当ページを参照。)。
〈事業者向け説明会〉
全国で環境省による再資源事業等高度化法説明会(事業者向け)が実施されていて(令和7年11月中旬~令和8年2月下旬、オンライン配信併用の会場もあり。)、説明会アーカイブ配信も行われています(以下のリンク先を参照。)。それらを利用することで、再資源化事業等高度化法のアウトラインとポイントを理解することができます。
まとめ
✔再資源化事業等高度化法が令和7年11月2日に全面施行。
✔資源循環において主たる役割を担うとされる廃棄物処分業者の取組とともに、廃棄物処分業者との連携が求められる事業者の取組もポイント。
✔廃棄物処分業者は、
・判断基準に規定された事項についての取組に期待。とりわけ特定産業廃棄物処分業者は、判断基準に照らして著しく不十分であった場合における勧告・命令の対象となることに留意。
・新たな再資源化事業の実施や既存施設での設備更新等を行う場合に、創設された認定制度を効果的に活用することで円滑な事業展開が可能に。
・特定産業廃棄物処分業者に限らず広く報告・公表システムを活用して再資源化の取り組みを発信することで、動脈産業とのマッチング創出も。
【関連情報】
(掲載情報)
1. 法令等 2. 法律の概要 3. 通知等 4. 再資源化事業等の高度化に係る認定申請の手引き、温室効果ガス排出量の削減効果・資源循環の効果算出ガイドライン等 5. 委員会等 6. 税制措置 7. 支援措置 8. コールセンター 9. 説明会
ミヤマの取組
[再資源化技術]
廃棄物を資源として捉え、高精度な分離・抽出・精製技術による再資源化に取り組んでいます(別添
再資源化の取組例参照)。
今ある資源をいかに循環させて社会により良い商品を提供できるか、ミヤマは挑戦し続けます。
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