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旧ピジョンポスト

ピジョンポスト Vol.32

2003.02.01

特定計量証明事業者認定制度(MLAP)の認定を取得。

ninteisho.gif ダイオキシン類などによる環境汚染問題がクローズアップされて久しい中、こうした極微量物質の計量証明事業の信頼性を確保するための明確な措置として、昨年4月1日、改正計量法が施行されました。制度改正の概要は次のとおりです。

(1)極微量物質の計量ニーズへの対応 従来の計量証明事業の登録区分が分割され、
1.大気中のダイオキシン類
2.水中又は土壌中のダイオキシン類の濃度の計量証明事業という区分が追加されました。

ダイオキシン類の計量証明事業においては、国が指定した審査機関の審査を受け、認定を取得していることが業務の登録要件となります。

(2)計量証明事業の信頼性確保のための措置として、計量証明書に記載すべき事項の明確化、事業規定の記載事項の明確化、虚偽の計量証明書発行などの不正な行為の禁止規定が導入されました。


平成15年2月4日、ミヤマはこの「特定計量証明事業者認定制度」(MLAP)の審査に合格し、独立行政法人製品評価技術基盤機構より認定証を受領し、特定計量証明事業者として認定されました。当社特定物質計量センター長、大山征也に訊きました。


-改正計量法が施行されてまもなく1年。本年の4月1日以降は「特定計量証明事業者認定制度」(MLAP)の認定を受け、都道府県の登録を受けた事業者以外はダイオキシン類の計量証明が行なえなくなります。こうした認定制度導入の背景は?


ダイオキシン類はその性状として、極微量でも高い毒性を示しますし、環境ホルモンとしての作用も指摘されています。このように、従来の「公害」を発生させた有害物質とは桁違いに少ない量でも環境や生態系に大きな影響を及ぼすため、ダイオキシン問題の解決には、極微レベルまでの正確な計量・分析が極めて重要で、高度な技術や工程管理能力が要求されます。 改正計量法以前、ダイオキシン類の分析は計量法の範疇外にあったわけですが、今回の認定制度導入によって、ダイオキシン類の計量証明を行なう事業者の基準が整ったということでしょうか。


-ダイオキシン類は計量のスケールがあまりに微細なので、どうも実感がわきません。


ひとつ例を挙げてみましょう。従来型の公害物質の濃度、たとえばNOxやSOxを測定するのには、百万分の一の濃度レベルの計量技術が必要とされています。 これは、家庭の大きめのお風呂に水を張り、この中に角砂糖1個を溶かし込んだ濃度を計量するレベルです。 一方、ダイオキシン類の濃度レベルは段違いに低く、水を満杯にした東京ドームに角砂糖1個を溶かした濃度を計量するようなレベルです。今回の改正計量法では、極微量物質の濃度レベルに対応するよう、新たに4つの単位が追加されています。


改正計量法に追加された4つの単位
質量一兆分率
(ppt)
物質中にその質量の一兆分の一の質量のある成分を含有する濃度。
質量千兆分率
(ppq)
物質中にその質量の千兆分の一の質量のある成分を含有する濃度。
体積一兆分率
(vol pptまたはppt)
物質中にその体積の一兆分の一の体積のある成分を含有する濃度。
体積千兆分率
(vol ppqまたはppq)
物質中にその体積の千兆分の一の体積のある成分を含有する濃度。

-ダイオキシン類の計量には、大変高度な技術が要求されますね。


こうした濃度を正確に計量するためには、
* ガスクロマトグラフ質量分析計という極微量物質の計量が可能な機器を有していること
* ダイオキシン類についての知識・経験を持ち、高い技術的管理能力を有する環境計量士がいること
* 複雑な計量の過程全体についての工程管理はもとより、公正さ、守秘義務なども含めた品質管理が適切に行なわれていること
等が必要になります。


bunseki.jpg

特に、ダイオキシン類についての知識・経験を持つ人材を多数育成し、特定物質計量センター全体のレベルアップを図り、複雑な計量過程の全体についての適切な工程管理を行なうことが大変重要になってきます。


-ミヤマでは98年からダイオキシン類の分析を行なってきました。こうした中で得てきた経験やノウハウが、今回の認定の取得にも大いに役立ったわけですね。


MLAP 認定取得によって、特定物質計量センターは、適正なダイオキシン類計量業務を実施していく十分な能力を有していると証明していただきました。しかし、これで安心することなく、更に能力の向上を目指し、ダイオキシン問題の解決に必要な科学的根拠となる正確なデータを迅速に提供できる体制を整えることが分析機関の使命であろうと思っています。科学技術の進歩で極微量レベルの物質を計れる機器はできていますが、問題は試料採取や前処理を含め、その機器の能力を十分に発揮できるように工程管理ができる人材が少ない、このためMLAPが導入されたのだと思います。ダイオキシン類のような極微量物質の計量業務では、測定の「技術」はもとより、優秀な職人が持っているような経験や勘を十分に働かせる能力すなわち「技能的センス」も身に付ける必要があると考えています。これは、単にダイオキシン類の計量業務のみならず科学技術が高度化すればするほど重要な事柄となってくるだろうと思います。


-ミヤマは、今回MLAP認定をいただいた公定法によるダイオキシン類分析の他に、「早い」「安い」「正確」な簡易分析法「ワンディ分析」もご提供しています。こちらの状況は?


2000 年12月に開始したワンディ分析の需要もますます増加傾向にあります。簡易分析の手法はさまざまありますが、ワンディ分析は、原理的には公定法に準じた精度の高い手法であり、分析結果を最短24時間(ワンディ)でご報告できる迅速性が最大のメリットだと考えています。ワンディでチェックして、証明書発行用に公定法で分析、というパッケージを提案しています。


-ワンディ分析はどんな用途で使われているのでしょうか?


工場施設等での定期的な工程管理、新設炉や改造後の焼却炉等の性能確認、ダイオキシン汚染の懸念がある排水・土壌等の汚染レベル把握等を中心に多くのご依頼・お問い合わせをいただいています。また、排ガス処理機器メーカー等の実証試験用としてもご利用いただくなど、高い評価をいただいています。 今後は、この2月に施行された土壌汚染対策法と関連して、工場跡地・河川底質・海底底質などの汚染源及び汚染範囲の特定や汚染レベルの把握など、ダイオキシン類による汚染が疑われる地域における環境調査に威力を発揮すると思っています。
*簡易分析法「ワンディ分析」に関しては、Vol.25でも詳しくご紹介しています。併せてご覧ください。



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